高配当株投資とは?
仕組み・選び方・注意点を、ていネコが解説
こんにちは、ていネコです。
高配当株に興味を持つと、最初に目に入りやすいのが「配当利回り」です。しかし、表示されている利回りが高いという理由だけで銘柄を選ぶと、業績悪化による減配や、株価下落で損失が出ることがあります。
この記事では、高配当株投資の基本から、候補を探すときに確認したい指標、スクリーニングツールの使い方までを順番に整理します。
高配当株投資とは
株式を保有すると、企業が利益などの一部を株主へ還元する「配当金」を受け取れる場合があります。高配当株投資は、株価の値上がりだけでなく、保有中の配当収入にも注目する投資方法です。
ただし、配当は預金の利息とは異なります。金額は約束されておらず、企業の業績や財務、配当方針によって増配・減配・無配になることがあります。
日本証券業協会は、企業が事業で得た収益の一部を配当金として株主へ還元する一方、株主は株価上昇による売買益も期待できると説明しています。参考:日本証券業協会「証券投資ってなに?3つのキホン」
配当利回りの計算方法
配当利回りは、1年間に受け取る見込みの1株当たり配当金を、現在の株価で割って計算します。
例えば、株価が1,000円で、年間の予想配当金が1株30円なら、予想配当利回りは3%です。100株を10万円で購入した場合、予想配当金は税引前で年間3,000円となります。
ここで気をつけたいのは、株価が下がると計算上の利回りが高くなることです。業績悪化への懸念から株価が下落している場合、表示上は魅力的な高利回りでも、その後に配当予想が引き下げられる可能性があります。
利益は配当だけでは決まらない
高配当株投資の結果を見るときは、受け取った配当だけでなく、株価の変化も合わせて考えます。
年間3,000円の配当を受け取っても、株価が購入時より2万円下がれば、その時点の評価では配当を上回る含み損になります。反対に、配当に加えて株価も上昇すれば、両方が収益になります。
高配当株投資のメリット
- 保有中に現金収入を期待できる:企業が配当を実施すれば、株式を売却せずに配当金を受け取れます。
- 使い道を選べる:受け取った配当を生活費に充てることも、再投資して保有資産を増やすこともできます。
- 企業を継続して見るきっかけになる:配当方針、業績、キャッシュフローを定期的に確認する習慣につながります。
これらは配当が維持された場合に期待できる特徴です。配当額や投資成果が保証されるわけではありません。
知っておきたい主なリスク
- 減配・無配
- 企業の利益や財務が悪化したり、投資方針が変わったりすると、配当が減額・停止されることがあります。
- 株価下落
- 配当を受け取っていても、それを上回って株価が下がれば、資産全体では損失になることがあります。
- 上場廃止
- 上場維持基準への不適合、経営上の問題、買収・完全子会社化などにより、東証での売買が終了することがあります。上場廃止は、必ずしも倒産や株式価値がゼロになることを意味しません。ただし、経営悪化などが理由の場合は、株価の急落や換金の難しさ、株式価値の大幅な低下につながる可能性があります。上場廃止の理由と会社の開示内容を確認することが大切です。
- 高利回りに見える「利回りのわな」
- 株価急落によって、一時的に利回りが高く見えている可能性があります。また、特別な利益などを原資とする「特別配当」や、創立・上場などの節目に実施される「記念配当」が含まれ、通常の配当水準より高くなっている場合もあります。なぜ株価が下がったのか、配当の内訳はどうなっているか、その配当額が翌年以降も続く見込みがあるかを確認します。
- 業種・銘柄の偏り
- 高利回りだけを条件にすると、特定の業種へ資金が集中することがあります。複数銘柄でも同じ業種に偏れば、共通の環境変化を受けやすくなります。
上場廃止の理由には、上場維持基準への不適合のほか、公開買付けや完全子会社化などもあります。参考:日本取引所グループ「上場廃止銘柄一覧」
金融庁も、株式などには元本割れのおそれがあり、複数の資産へ分散することで価格変動をある程度抑える考え方を紹介しています。高配当株でも、一社への集中や高配当株だけへの偏りには注意が必要です。
参考:金融庁「資産形成の基本」
利回りだけで選ばないための主な指標
高配当株の候補を探すときに確認できる指標は、配当利回りだけではありません。投資目的や相場環境、企業の業種に応じて、複数の指標を組み合わせて考えます。
ここでは、業績・財務・株価水準・収益性・株主還元の継続性を見るための主な指標を紹介します。今後の記事では、これらの指標をもとに、ていネコ運営者が実践しているスクリーニング条件と、その数値を設定している理由を紹介していく予定です。
| 指標 | 確認したいこと |
|---|---|
| 予想配当利回り | 現在の株価に対して、どの程度の予想配当があるか |
| 売上高の増収回数 | 事業規模を継続的に伸ばしてきたか |
| 営業利益の増益回数 | 本業で利益を増やしてきたか |
| 配当性向 | 利益に対する配当の割合に無理がないか |
| 自己資本比率 | 財務の余力をどの程度備えているか |
| 予想PER | 予想利益に対して株価がどの水準にあるか |
| 時価総額 | 企業規模や株式の売買のしやすさが目的に合うか |
| PBR(株価純資産倍率) | 株価が1株当たり純資産の何倍まで評価されているか。同業他社や過去の水準と比較して見ます |
| ROE(自己資本利益率) | 株主が出資した資本を使って、どの程度効率よく利益を生み出しているか |
| ROA(総資産利益率) | 負債を含む会社の総資産を使って、どの程度効率よく利益を生み出しているか |
| DOE(株主資本配当率) | 株主資本に対して、企業がどの程度の配当を支払っているか。DOEを配当方針に採用している企業では、還元方針を確認する手掛かりになります |
| 連続増配年数 | 1株当たり配当金を前年より増やし続けてきた期間。ただし、過去の増配が今後の継続を保証するわけではありません |
スクリーニングとは
スクリーニングは、数多くの上場銘柄から、利回り・業績・財務・株価指標などの条件を指定して候補を絞る作業です。
手作業ですべての企業を比較するより効率的ですが、入力した条件に合う銘柄だけが表示されます。条件が厳しすぎれば有力な候補を除外し、緩すぎれば確認する銘柄が増えます。条件を通過したこと自体は、企業の安全性を意味しません。
銘柄スカウターで候補を探す
ていネコ運営者が利用しているのは、マネックス証券の「銘柄スカウター」です。10年スクリーニングでは、過去の増収・増益回数、予想配当利回り、配当性向、自己資本比率、予想PER、時価総額などを組み合わせて候補を探せます。
マネックス証券の公式説明では、銘柄スカウターのすべての機能を利用するには、同社の証券総合取引口座が必要です。
マネックス銘柄スカウター
長期の業績推移と複数の指標を使い、日本株の候補を絞り込めます。現在のリンクは広告ではなく、公式の機能説明ページへの通常リンクです。
公式サイトで機能を確認する →指標の定義と計算方法:マネックス証券「スクリーニング条件一覧」
候補が見つかった後に確認すること
スクリーニングを通過した銘柄は、数値条件だけで購入を決めず、次の内容まで確認します。スクリーニング画面で条件に設定しなかった指標も、企業の収益力や配当の持続性を考える材料になります。
- 事業内容何で利益を得ている会社か。特定の商品・地域・取引先へ依存していないかを確認します。
- 売上高・営業利益・EPSの推移一時的な増減だけでなく、売上高と営業利益が通期で右肩上がりの基調にあるか、1株当たり利益を示すEPSが継続的に成長しているか、赤字の年がないかを見ます。
- キャッシュフローと負債営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローを確認し、本業で配当の原資となる現金を生み出しているかを見ます。有利子負債やネットD/Eレシオも確認し、配当や投資を借入れに頼りすぎていないかを考えます。
- 配当履歴と配当方針連続増配年数だけでなく、増配率、過去の減配・無配、特別配当や記念配当の有無を確認します。会社が配当性向、DOE、累進配当などの方針を示しているかも見ます。
- 予想の変化決算発表や業績予想の修正により、利益・配当の前提が変わっていないかを確認します。
- 価格と保有バランス割安に見える理由を考え、同じ業種や一社へ資金が偏りすぎないようにします。
ていネコの高配当株投資で大切にすること
高配当株投資では、目に見える利回りの高さだけでなく、その配当を生み出す事業と利益が続くかを考えることが大切です。
ていネコの投資ノートでは、次の順番で判断の過程を残していきます。
- スクリーニングで候補を絞る
- 業績・財務・配当履歴を確認する
- なぜ候補にしたかを言葉にする
- 購入後も決算と配当の変化を振り返る
次の実践記事では、運営者が実際に使っている7つの条件と、その数値を設定している理由をご紹介します。
ていネコの投資ノート